いろいろな企業が参入を表明し、なにかとメディアにも取り上げられている「電力自由化」。
これによって産業構造が変化すると言われており、政治にも影響があると言われることもあります。
「でも、実際の生活に何か影響があるの?」と疑問に思っている人も多いはず。
まず身近なところでは何が起こるのかを考えてみるべきでしょう。
電力の料金はどう変わる?
まず、電気料金は引き下げられると考えられます。
これは市場競争によるものです。
今までは電力会社がほぼ独占している状態だったと言えるでしょう。
電力会社は、競争相手がいない状態でしたから、価格を引き下げなくても経営を成り立たせることができたと考えられます。
もちろんですが、何も経営努力をしてこなかったというわけではありませんが、競合する企業がない状態であれば、経営努力のインセンティブが低くなるのは当然のことだと言えるでしょう。
電力に関する仕組みが変わって多くの企業が電力小売りに参入することによって競争が起こり、それによって価格が引き下げられると考えるのは妥当なことです。
「ということは、自由化ってすごく良いこと?」
もちろんこの面だけを見れば、消費者にとって魅力的なものになると言えるでしょう。
しかし、実際には良いことばかりではありません。
実はこんなデメリットも
多くの企業が参入する姿勢を見せていて多様な料金プランやサービスを打ち出していますが、その中から自分たちの生活にあったものを選ぶのは一苦労です。
長期割引は分かりやすいですが、セット割引などはかなり複雑です。
結果として、分かりにくくなってしまう可能性があります。
たとえば、携帯電話料金とのセット割引や、ガス料金などのセット割引などがあって、どう組み合わせれば有利になるのか分からなくなることもあるでしょう。
このようなデメリットがあり、
「結局はどうして良いのか分からないまま現在の状態を続けてしまう人」
も出てくるのではないでしょうか。
しかし、その場合でも何らかのメリットは受けられると考えられます。
メリットとデメリットを天秤にかけてみると・・・
というのも、電力会社は既存の顧客を失う可能性がありますから、サービスを向上させる可能性が高いからです。
新規参入各社が低い料金を提供すれば、電力会社も電力料金を引き下げざるを得なくなります。
つまり、何もしなくても安くなる可能性が高いと考えられるのです。
もっと大きな視野で、長期スパンで考えてみる
電力自由化によって、一般的な消費者にはメリットもデメリットもありますが、長期的に見ればメリットは大きいと言えるでしょう。
個人に対する影響だけではなく、社会全体にも影響はあると考えられます。
事実上、新しい産業が増えるわけですから、それによって経済が活性化する可能性は高いと考えられるのです。
電力小売りに参入する企業がすでに多くありますから、企業にとって新たな投資対象ができたとも言えるでしょう。
直接的に電力小売りを行う企業だけではなく、ほかにもいろいろな企業が関連企業となっています。
例えば、電気料金の比較サイトを立ち上げるIT企業もあります。
このように、電力自由化によって新たな事業を展開する企業が増え、それによって新たな雇用が生まれ、経済の活性化も見込めると言えそうです。
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