三井物産ってどんな会社?

仕事

三井物産は、日本初の総合商社であり、日本における総合商社の原型をつくった企業です。
また、三井住友銀行、三井不動産と並び、「三井新御三家」に数えられています。
井上馨等により設立され、戦前は三井財閥の中核企業でしたが、終戦後の財閥解体により一時解体されました。
戦前の勢いを表す言葉として、「明治時代の日本企業による海外進出は、まず三井物産が進出し、日本郵船が航路を開き、横浜正金銀行(現・三菱東京UFJ銀行)が支店を出す」というものがあったほど、その進出の勢いは大きなものでした。

トヨタグループの創業者に資金面及び海外進出面で支援したこともあり、トヨタグループとも親密な関係を築いています。
また、三井物産出身者が後に大企業を設立することも多く、「人の三井」と云われています。
三井系の中核企業であるにも関わらず、バブル期にはメインバンクが富士銀行(現:みずほ銀行)であった時期があります。
これは、三井銀行(現:三井住友銀行)と第一銀行(現:みずほ銀行)が一時期帝国銀行として一つであったことが関係しています。

現在は、金属分野、エネルギー分野、機械・インフラ分野、生活産業分野、化学品分野、次世代・機能推進分野の6つの分野を主軸として営業を行っています。
2016年3月期現在、事業所数は138拠点、連結決算対象関係会社数は462社、連結従業員数は43,611名という大企業で、収益は4.8兆円にのぼります。
2014年5月には中期経営計画「三井物産プレミアムの実現」を公表、今後の更なる持続的成長の計画を示しました。しかし、2014年3月期からの3年間、純利益は減少傾向にあり、2016年3月期は赤字となっています。
会社側では、商品市況の下落による多額の減損損失をその原因としています。資源やエネルギーを強みとしてきた三井物産の特徴が顕著に表れた結果だと言えるかもしれません。

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株式の情報としては、株価コードは8031で、東証一部などに上場しています。
単元株式数は100株で、定期株主総会は6月に実施、現状、株主優待は実施していません。
年間配当は59円、64円、64円と推移してきましたが、直近の決算短信では、平成29年3月期の年間配当を50円を予想しています。
株主数は400,000名を超えています。
また、保有株式数の内訳では、金融機関の保有率が最も高くなっています。

国土の約0.1%にあたる44,000ヘクタールもの面積の社有林「三井物産の森」を有しています。
この土地を利用した環境教育や森林体験プログラムも実施しています。
東日本大震災の際には、8億円の義捐金や、ボランティア活動を行っています。
このように、社会貢献への取り組みも積極的に行っている企業です。

三井物産の企業使命として「大切な地球と、そこに住む人びとの夢溢れる未来作りに貢献します」を掲げており、営利企業としてのみならず、社会貢献へも積極的に行うことには、そうした文化が根付いているのかもしれません。

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