遊べる本屋を掲げるヴィレヴァンは、経営状態が悪化して、過去最大の苦しい状況に立たされています。
ヴィレヴァンが赤字になった理由は幾つかありますが、一つは製造原価の高騰が直撃したこと、そして商品開発力の低下を招いた点が挙げられます。
赤字脱却の為に、ヴィレヴァンが行った選択は、チチカカを切り離して売却することです。
チチカカは、輸入雑貨を専門に扱うお店で、主にエスニック雑貨を専門に販売しています。
一時期は、企業に利益をもたらしましたが、経営が難しくなると一転して、利益を減らしかねない存在になりました。
チチカカの再建を目指すものの、ビジネスモデルの違いを理由に、その後他社へ委ねた方が良いと判断されています。
チチカカを売却したことで、赤字脱却が前進したかのように見えましたが、状況は今でも変わらず、先が見えない状態に陥っているといえます。
ヴィレヴァンが赤字脱却をして、経営を立て直したいなら、店舗数を絞り込んだり、店舗毎の堅実な黒字経営を目指すことが重要です。
店舗拡大が停滞するので、拡大を目指す企業にとって、決断は困難になると考えられますが、赤字脱却には不可欠な判断になるでしょう。
商品開発を行ったり、新しいタイプの店舗を作る方法は、赤字脱却の可能性を高まる選択肢になり得ます。
しかし、今無理に拡大を決断をすると、チチカカの二の舞いになるばかりか、更に厳しい状況に発展する恐れが強まります。
ここは堅実に、黒字が出ている部門に集中して、利益を高める方法がポイントになります。
急成長した企業は人気が落ち着くと、利益が転じて減少傾向に進み、経営が難しくなるパターンが珍しくありません。
ヴィレヴァンも、まさに今このようなパターンにハマっていますが、抜けだそうとする程苦しくなる点が問題です。
確実な赤字脱却を実現したいなら、過去の成功を一度脇に置いて、成功前の経営姿勢を見つめ直すことが大切です。
一方、ヴィレヴァンは現場の士気低下も問題になっているので、早急に改善する必要があるでしょう。
店員のやる気は、顧客が何気なく見ているものですから、購入を決める判断材料であったり、買い物を取り止める一手にもなります。
チチカカの場合は、顧客のニーズと販売商品にミスマッチが生じたことも、経営の悪化を招いた要因の一つと考えられます。
ただ、経営を立て直そうとした段階でも、士気の低下が起こっていたと想像可能なことは否定出来ません。
まずは経営者が考えを改め、社員の先頭に立つ姿勢を見せて、企業全体で改革を推し進めることが必要です。
業績は、一見すると急激に悪化しているように見えますが、以前からその兆候や可能性は十分にあったでしょう。
急激な利益の悪化の原因が、長期的に根付いている企業風土にもあるとしたら、多くの株主が懸念している通り、一朝一夕で解決するのは困難です。
立て直しが成功するか否かは、企業に関わる一人ずつの意識改革が欠かせないので、経営者が方向性を示し、現場から変えて行く必要があります。
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