37.5℃の涙は、もともとは椎名チカさんによる漫画作品です。
タイトルの『37.5℃』とは、子供が保育園に行くことができるボーダーラインの体温とされています。
その体温になった子供は、原則、保育園に預けることができません。
また保育園で預かってもらっている子供がこの体温を超えた場合は、迎えに来るようにとの連絡が親の元にいきます。
けれど、仕事を持つ親は仕事を急に休むわけにもいきません。
あるいは、1日でも多く働かなければ生活が苦しいと言う親もいます。
周囲の無理解、非協力的な態度によって、仕事を中座して子供を迎えに行くことすらできない親もいます。
37.5℃の涙のあらすじ
そんな、子供への愛情と生活や仕事の狭間で苦しんでいる親の味方となるのが、37.5℃の涙の主人公、桃子であり病児保育士と言う存在です。
この病児保育士と言う存在は、あまり一般的には知られていません。
病児保育とは、体調に不安のある子供を預かることなのですが、これは先にも述べた通り、他の子供などへの影響面も考えて保育園では断られることが少なくありません。
絶対に預からないと言うわけではなく、あくまで『少なくない』と言うことなので、病児保育は一般の保育園から、該当の子供がいる自宅を訪れる訪問型、病院内に設けられている病児保育専門部門のようなところまで、幅広い形態で実施されています。
病児保育士と言う国家資格、専門資格が存在しているわけではなく、この病児保育を行っている人がそのように呼ばれています。
しかし病児保育につくと言うことは、子供の健康状態に対しての知識や看護、看病に対する知識や技術、また保育そのものに対する知識も有していることが必要であるのは当然のことです。
37.5℃の涙は、この病児保育に携わる桃子を軸にして、愛情や家族、親と子と言う答えのない問題、そしてそれに左右される様々な人の姿を描いています。
とは言え、決して重苦しいだけの作品ではありません。
主人公の桃子が仕事や恋を通して人間として、病児保育士として成長していく姿も描かれており、ヒューマンドラマと表現するにふさわしい胸が温かくなるような作品として仕上がっていますから、年齢、性別問わず手に取りやすい、読みやすい作品だと言えます。
ドラマで楽しむ37.5℃の涙
そしてこの37.5℃の涙は、この夏からドラマ放送が決定しています。
主役の桃子を演じるのは、民放テレビ局での連続ドラマ初主演となる蓮佛美沙子さん。
蓮佛さんと言えば、美しい黒のロングヘアが印象的な女優さんでしたが、今作では何と役作りのためにそのロングヘアを35センチ以上もカット。
美しさの中にも凛々しさや優しさを感じさせる、新たな魅力満載の風貌で、訪問型病児保育『リトルスノー』に勤める桃子を熱演します。
その他、桃子の成長を優しく見守る上司役には成宮寛貴さん、『リトルスノー』の顧客でシングルファーザーの役には速水もこみちさん、マニュアル重視の鉄面皮上司役には藤木直人さん、そして病児保育に高いプロ意識を持っている先輩役には水野美紀さんと実力派俳優陣がキャスティングされているのも、見所のひとつです。
ぜひ漫画とドラマ、両方で楽しみたい作品、それが37.5℃の涙です。
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