※内容にはPRを含みます。

火垂るの墓 金曜ロードショー2015

火垂るの墓 金曜ロードショー メディア・動画・音楽・TV

3週連続ジブリ祭りということで、
8月14日「火垂るの墓」、21日「おもひでぽろぽろ」、28日「平成狸合戦ぽんぽこ」が金曜ロードショーで放送されます。

ジブリ作品のDVD・ブルーレイディスクは大体揃えているので
待ちきれず「火垂るの墓」を観ました。

子供の頃はあまり深く考えることもなく、
「怖いな~、やだな~」「おばさん意地悪だな」くらいにしか思っていなかったのですが
大人になってから見ると、全く感じ方、見え方が変わってきます。

ジブリ作品はどれもそうですが
観た時の年代で感じることが違っていて、何度でも飽きること無く新鮮な気持ちで観ることが出来ますよね。

今回の火垂るの墓は
まず、スタートしてから数分で涙がホロリ。
まさか、自分が火垂るの墓で泣くとは・・・

清太さんが永眠するところから物語はスタートし、
ドロップの缶が草むらに投げ捨てられ、
蛍が光り、清太さんと節子ちゃんの2人が幽霊となって現れ
死に至るまでの出来事を振り返っていくように進んでいきます。

悪いのは叔母さん?清太さん?

悪いのは清太さん、叔母さん
ネット上でもこの話題はよく繰り広げられています。
私も子供の頃は叔母さんが単純に意地悪な人だと思っていました。

ですが、大人になって観ると清太さんにも原因があるなと思います。
14歳ということなので仕方ない部分も多いとは思いますが
叔母さんの家でお世話になるのであれば、
もう少し手伝いをしたり、それなりのことをするべきかと。

映されているシーンは、ゴロゴロ本を読むか、オルガンを弾いているか・・
叔母さんとの会話での受け答えでも「はぁ」とかなんかボンヤリしている感じ。

コミュニケーションをもっと上手にとれば、
接し方も変わったのではないか、と。

叔母さんに至っては、正論を言っていることが多いですが
ちょいちょい、言わんでいい小言がまざっていたり。

「いやー これバターやないの

非常時いうても
あるとこにはあるもんや

軍人さんばっかりぜいたくして」

清太さんのお父さんも軍人さんですから、皮肉に感じます。

それでも最初の内は機嫌よく白米を食べさせていたわけですが、
少なくなってくると、

「ええ加減にしとき!
うちにおるもんは昼かて雑炊や!」

・・・。

ずっと家にいる清太さんも清太さんなんでしょうけど・・。

当時の状況を体験したことがない私にはわからないことでもありますが、
実際に食料がそこまで不足になった場合、
精神的にも余裕が無くなってくるのでしょう。

気持ちにゆとりがなければ、他人のことを考える余裕なんてないでしょうし
そう思うと、どっちが悪いとか、そういう問題ではないのかなとも思いました。

清太さんと節子ちゃんとの2人の生活

火垂るの墓 池
結局、居心地の悪さから清太さんは節子ちゃんと2人で生活していこうと叔母さんの家を出てしまいます。

それでも最初の内は楽しく生活していたのですが・・・
やはり食べるものも尽き、生活は困難になっていきます。

その後の流れは言うまでもなく・・。

ここで思ったのは、上手く立ちまわっていればきっとこんなことにならなかっただろうと。

14歳という微妙な年頃もあってなのか、
はたまた、元々はそれなりに良い生活をしていた為なのか
どういう行動をとると叔母さんがイライラするのか、快く居候させてもらえるのか
そういうことを考えることがきっと出来なかったのかなと。

清太さんのお母さんは7000円もの貯金をしてありました。
(当時はもうお金でどうこうっていう状況でもなかったのかもしれませんが)
その蓄えもあり、勢いで家を飛び出してしまったところもあるのではないでしょうか。

節子ちゃんの体調のことを考えれば
頭を下げて叔母さんの家にまずは戻るべきだったのかもしれませんね。

配給は途切れがちになり、情報や近所付き合いもないために思うように食料が得られず
終戦したことも銀行に行った際に列に並んでいた人たちの会話でようやく知ることになります。

今回、火垂るの墓を観て感じたことは
社会ら外れてしまうと生きていくことは非常に困難であること。

知恵袋では
「大人はセイタの愚かさを感じ、子供はセイタのワガママさを同情する。」
という意見もありましたが、まさにその通りなのではと思いました。

清太のモデルは原作者 野坂 昭如さん自身

火垂るの墓 野坂昭如
火垂るの墓は原作者の野坂 昭如(のさか あきゆき)さんの体験を題材にしています。
実際に妹さんがいて、その妹さんが節子ちゃんのモデルになっています。

本当の妹さんは当時、1歳半ということなので年齢は違いますが、
実際に栄養失調で亡くなられています。

野坂さんは、自分は主人公の兄のようにはやさしくなかったと言っています。

ですから実話と物語では違う部分が多くあるようで、
とても気になり「火垂るの墓」執筆の背景と、
事実の実際を克明につづった「わが桎梏の碑」をさっそく購入しました。

中古で1円なので気になる方はチェックしてみるのもよいかと思います。

コメント