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進研ゼミの漫画が面白い理由

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進研ゼミの漫画を子どもの頃に読んだ方は多いと思われます。
ご自身が入会していた方はもちろんのこと、そうでない方も学校で友達に見せてもらい読みふけった経験があるのではないでしょうか。
教材を後回しにして、漫画だけを真っ先に読んでいた方も少なからずいることでしょう。
なぜ進研ゼミの漫画はこれほどまでに夢中にさせるのか。そして今でも夢中にさせ続けているのか。
それは「教材」と捉えないで「漫画」を作っているという背景があるのだと筆者は考えます。

進研ゼミ

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進研ゼミにおいての漫画の役割とは

通常、教育のための漫画は、教育目標の達成を第一に作られます。
例えば、ある月の英語は助動詞がテーマだから、mustとmayの違いをまず区別できるように教材を作ろうと考えます。そして目標達成のために漫画が作られます。ここでは漫画が一つの手段となっています。
では進研ゼミの場合はいかがでしょうか。実際の制作現場の流れは筆者にはわかりません。
ですが漫画を手段とは捉えないで、漫画のストーリーがまずあって、その中にmustとmayの違いを区別するポイントをはめ込んでいるように見られます。
同業他社と比べて漫画への考え方が逆転しているように感じ取れます。
ですので、漫画のクオリティが同業他社と比べて高く、面白いと感じられるのではと考えられます。
この点は漫画の表現にも滲み出てきています。通常の教育漫画は、登場人物が淡々と学習テーマの解説をし、疑問に答えていくというパターンが多く、教科書を漫画という形に変えただけというのも少なくありません。
一方進研ゼミの漫画は、口癖や奇抜な衣装など、登場人物のキャラクター付けと世界観が細かく練られています。
ギャグ漫画のような設定のときもあります。
そして登場人物が一般の漫画、時にギャグ漫画のような振る舞いをしつつ進めていく。
これは子どもたちにとって勉強のような感覚ではなく、まさに漫画を読む感覚に陥ります。

印象に残った進研ゼミの漫画

筆者の記憶に今でもあるのは、古文の教材で、主人公は平安時代の貴族の息子。
その息子は失敗ばかりをして「ドジ殿」とあだ名をつけられています。
そのドジ殿が巻き起こす宮廷の中での失敗を笑いつつ、学習テーマの古文単語と古文常識を覚えていきました。
徹底的に漫画に拘り、教材ではなく作品としてのクオリティを創出し、その後で学習テーマを埋め込んでいく。
これが進研ゼミの漫画が面白い理由だと考えます。
繰り返しになりますが、筆者は実際の制作現場の流れや考え方を知りません。
しかし今回の指摘は、意識的にせよ無意識的にせよ、進研ゼミの企業文化として入り込んでいるように思われます。
長年、教育業に携わり、子どもたちに寄り添ってきた成果の賜物です。
もしまた読む機会に恵まれたら、ぜひ今回のことを踏まえつつ読んでみてください。
面白いと思いつつ、さらに漫画としての味わい深さも感じることができるでしょう。
お子様と一緒に盛り上がるのも良いコミュニケーションのきっかけとなります。

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