アップルストア改名!その理由と狙いは?

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最先端のイノベーションプロダクトを販売するアップル社は新しい商品が発売されるたびに大きな注目を集めます。
近年では、多彩な機能が腕時計サイズに詰まったアップルウォッチが大きな話題となりました。
日本でも直営店のほか、アップルプレミアムリセラー(認定代理店)、ドーバーストリートマーケットギンザ、一部の家電量販店などで販売されました。
この時も大きな行列を作った直営店「アップルストア」の名称が、より簡潔なものに変わります。
新しい名称は「ストア」の文字が消え、「アップル+地名」のスタイルになります。
本国のアメリカでは「アップル・フィフス・アベニュー」(ニューヨークのマンハッタン5番街店舗)や「アップル・ユニオン・スクエア」(サンフランシスコのユニオンスクエア店舗)のように改名が進んでいます。
今後、残りの店舗も順次名称が変わり、すべての店で「ストア」の文字がなくなる予定です。この動きは日本でも同様で、たとえば「アップル銀座」のように改名されています。

単に「ストア」の文字が消えるだけのように見えますが、ここにどのような理由と効果があるのでしょうか。

改名の理由には、ストアすなわち店のあり方が変化したことが挙げられます。オンライン上で当たり前のように買い物ができるようになった今、同じ商品を買うのに実店舗へわざわざ足を運ぶ必要性は少なくなりました。
実店舗はもはやモノを売るだけでは人を惹きつけることはできなくなり、それ以上の価値を提供することが求められるようになりました。これはアップルに限らず、あらゆる業界に共通する時代の流れです。

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危機感を覚えた実店舗の多くは、商品に関するセミナーや体験会など、お客さんを呼び込むための戦略を練っています。
アップルは店舗名から「ストア」の文字をなくすことで、自社の実店舗はもはや単にモノを売るだけの場所ではないということを示したのです。
アップルはイノベーションプロダクトを商品としているので、最先端技術に興味があって訪れる人が多いはずです。
今後アップルではこのようなお客さんのために、商品の使い方講座や体験会、最新技術のセミナーなどを実店舗で開くようになるでしょう。
改名のわかりやすい効果は、簡潔になって呼びやすくなったことです。
些細な変化ですが、呼びやすさは親しみやすさにもつながり、口コミも広がりやすくなります。会社名と地名だけの名称はシンプルながらもインパクトがあり、たとえば「アップル銀座」と言えばどのような店か思い浮かべやすくなります。
オンライン店舗では得られない体験を実店舗で得ることができれば、再び実店舗に目を向け訪れる人が増えるでしょう。
常に新しい時代を作り出し、オンラインの世界に革命を起こしたアップル社が、実店舗の役割の拡大に力を入れることは興味深い点です。
実店舗の改名という形でこれからの店のあり方を表明したアップル社が今後どのような新しい価値を提案していくか、大いに注目されます。

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