決算期は、通常3月や9月、12月といった時期に設定される場合が多いという実態があります。
これは、企業の設立時期や関連企業などとの関係・要因によるものです。
企業は、決算によって企業の財務内容を確定し、財務諸表と呼ばれる、財務状況を広く一般に公開することに主眼が置かれています。
これは、その企業の真の姿を、消費者や株主、関連企業に知ってもらい、企業が存続するうえでの大切な一連の流れでもあるのです。
さて、デパートや商店、ストアといった商品を売る企業の多くは、決算セールを行うところが多いという事実があります。その目的は、企業が所有する在庫(商品)を適正な価格で処分し、新たな商品などを仕入れることにあります。換言すれば、在庫を処分することで新たな運転資金を獲得し、次の商品を仕入れる資金を調達できるというメリットがあるのです。
ここで、企業がおこなう日常の活動に目を向けてみることにします。企業は、工場などで作られた商品を仕入れ、それに適正利潤を上乗せしたかたちで売買価格を決定します。適正利潤とは、企業活動に不可欠な原価を計上し、利益を生み出すうえでの必要不可欠なものなのです。これで、企業が予想した通りのスケジュールで商品が売れていけば何も問題はないのですが、そう簡単に物事は進みません。
一般消費者の購買動向や天候、流行などのさまざまな要因により、当初の予想を下回り、あまり売れずに、在庫として多量に売れ残った商品なども発生します。この多量に売れ残った商品には、当然のことながら、仕入れコスト、保管コスト、管理コストなどがかかっています。
これら商品を抱えたままにしますと、店舗や倉庫に山積みとなり、新たな商品を取り入れ、お客様に新たな商品を購入いただく上での大きな障害となってきます。その障害を取り除く上でも、決算セールが行われる意味は大きいのです。
決算セールは、通常、ある一定期間に集中して行われる場合が少なくありません。全商品4割引きとか、全品半額セールといった、消費者の目を引くインパクトのある広告を打ち、消費者の関心を高め、決算セールをおこないます。決算セールは消費者の購買意欲を高め、過剰在庫を解消するという大きな役割を果たします。
決算セールは、消費者がほしかったけれども高くて手の届かなかった商品が格安で手に入ったり、こんないいものがリーズナブルな価格で購入できるという、消費者にとってのメリットも多いと考えられます。
企業が過剰在庫や流行から後れた商品を処分し、新たな商品を確保するうえでの必要資金を確保するという点、また、消費者側にとってのメリットも考慮すれば、お互いにとって、その存在意義は多きものがあると言えます。
消費者は、常に、安くて良いものを購入したいという消費者心理を持っています。その需要を見たし、企業がゴーイングコンサーンしていくうえで決算セールはなくてならないものと結論付けられます。
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