「PCデポ」 の株価が、連日値下がりしています。
「PCデポ」という会社においては、パソコンやスマートホンのトラブル対応や使い方の説明などを行っているのですが、お客様が途中で解約しようとしたところ、法外な違約金をとられたということで、「PCデポ」 のお客様対応上の問題点がネットで話題となり、 炎上してしまったという訳です。
ここには、単なるお客様対応上の不具合だけではなく、「PCデポ」 のビジネス・モデル上の問題点があるように思えます。
すなわち、パソコンやスマートホンが一般大衆に普及するのに伴い、その使い方がよく判らないという人や、急に動かなくなってしまったというようなトラブルに遭遇する人が増えるはずであるというのが、このビジネス・モデルの前提となっています。
それに、パソコンの操作に慣れている中高年の人には、スマートホンの操作をよく知らないという傾向があり、スマートホンの操作に慣れている若年層の人には、パソコンの操作をよく知らないという傾向があるということまで、よく分析されていると言えます。
しかし、このビジネス・モデルの前提で抜けているのではないかと思える点は、パソコンやスマートホンなどの業界における技術革新の早さと価格競争です。
すなわち、この業界においては、1年半でその性能が2倍になるという「ムーアの法則」が働いていますから、同じパソコンやスマートホンのメンテナンスにお金を使って、一つの機械を大事に使っていくというよりも、その機種が旧くなったらより新しい機種に買い換えていくというほうが、安上がりで済むわけなのです。
なので、わざわざ「PCデポ」 のような会社とサポート契約を結んだとしても、あまりお得感はないと言えるわけです。
ですから、パソコンやスマートホンに詳しい人の目から見てみれば、このようなビジネスは、IT(Information Technology)に詳しくない人達を騙している商売のようにも思えるということです。
ただ、このような問題は、昔からどこにでもあった問題であるようにも思えます。
それが、このように大きな問題となり、株価にも大きな影響を及ぼすようになってしまったということは、ネット社会の発達によるものだと言えるのではないでしょうか。
すなわち、ネットが発達した今の世界においては、昔なら小さな問題として無視できていた出来事も、大きな問題となってしまう可能性があるということなのです。
ですから、ただ儲かっているかどうかという点のみを考えるのではなく、それが本当に価格に見合ったサービスとなっているのかどうか、そのサービスに他の代替手段があるのかどうか、その代替手段を使った場合と自社のサービスを比べるとどうなのかといったような点を、常に見直していかなければならない訳なのです。
そして、何か問題が起きた時には、どのように対応すればよいのかといった危機対応も、大事なこととなってきます。
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