その買い物、本当に”コスパが良い?”
コスパ、コストパフォーマンスという言葉が、日常的に使われるようになってもうずいぶんと絶ちます。
「100円でコスパが良い」
「1万円もしたけれど、これ1つで1年は使えるのでコスパは良いほうでしょう」
ちょっと待って!
コストパフォーマンスの本当の意味、理解していますか?
そもそもコスパって?
基本に立ち返って、コストパフォーマンスとは「費用対効果」のことです。
つまり、その費用(コスト)に対してどれだけの効果(パフォーマンス)を得られるか。
それがコスパであり、その効果が高いほど「コスパが良い」というわけです。
ですので、上で上げた使い方の例も、
「100円でコスパが良い」というのは、100円という情報だけでは効果の部分は不明です。
これだけだと単純に「安い」という意味になります。
また「1万円もしたけれど、長く使えるので~」というのも、長期間使えるというだけであり、
長く使えるからといってイコール「パフォーマンスが良い」とも言い切れません。
それに100g100円の肉と100g398円の肉では、コストは100円のほうが安くてもパフォーマンスが違うので
単純にグラム当たりで安いほうがコスパが良いというわけではありません。
コスパが良い=価格が安い、と認識されることの危険性
本当のコスパの意味は別として、安いことがコスパが良いとして浸透しても、
それはそれで現代においての言葉の使い方としていいんじゃないか?と言われるかもしれません。
ですが、現代においてこの誤った「コスパが良い」こそが良いこととして浸透した結果、
様々なところで弊害が出ているように思われるのです。
どうしてこのように思ったかというと、連日バスによる事故が多発しました。
その中で「学生にとって、コスパの良い格安高速バスを使うことは常識だった」
というインタビュー内容を見かけました。
ここで言うコスパとは、明らかに値段が安いというコストの部分だけを見たものでしょう。
それによって得られるパフォーマンスが最悪のものであれば、
いくらコストが低くても、それはコスパが良いとは言えないのです。
そこを消費者が勘違いし、ただひたすらにコストが低いものを「コスパが良い」と評価した結果、
現代には値段だけを追求して、偽装された食品や、劣悪な労働環境にさらされた人たちによって
作られたサービスが存在しているのではないでしょうか。
本当の意味で「コスパが良い」ものを皆が求めるようになれば、
望んだパフォーマンスに見合ったコストがかけられるようになり、
そのような粗悪な業者や商品を減らすことができるのではないでしょうか。
良いものには、良いものを作るだけのコストが必要。
そのコストに対して最大限のパフォーマンスを得られることこそが
本当のコスパの良さなのでは、と思います。
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