日常生活で利用する車、それに必要なガソリン。
ガソリンの価格は常に変動しますね。
平成10年ではレギュラー90円台ということもありました。
今だと考えられない程安いですよね。
2015年9月現在は地域によりますがレギュラー125円です。
この違いはなぜ生まれるのでしょうか。
それには複合的な理由があります。
1つはガソリンにかかる税金。税金にも様々な種類があります。
消費税・石油税・ガソリン税(本則税率)・ガソリン税(暫定税率)
これだけの税金がかかっておりますが、
変動に影響ある大きな理由は原油の価格変動です。
では、その原油の価格はどうやって決まるのでしょうか。
原油の価格調整
原油価格に最も大きな影響を与えるのが中東産油国の動向です。
OPECは原油価格についての協議を行い、輸出する量を決めています。
OPEC全体では世界の40%の供給がありますから、
大きな影響を持っているといえるでしょう。
価格が上昇しすぎると増産し、
下落すると減産するという形をとって価格を調整しています。
このようにして価格を調整することによって、
原油の輸出による収入を安定させる目的があるといえるでしょう。
中東産油国以外で重要なものが北海ブレントです。
主にイギリスの北海で採掘されます。
中東産のものとは性質が異なるために、価格は異なりますが、
変動だけを見ればほかの原油とほぼ同じような動きをしています。
供給面ではアメリカも重要なカギを握っているといえるでしょう。
アメリカのテキサスで生産されるものはWTI原油として取引がなされています。
古くからWTI原油が世界の原油の基準として用いられてきました。
そのため、先物取引も多く行われています。
それとともに最も新しいものがシェールオイルです。
以前はシェール層にある原油を採掘できなかったのですが、
技術が進歩して採掘できるようになったために、
最近になって原油価格に大きな影響を与えるようになってきました。
かつては中東産油国が多くのシェアを占めていましたが、
現在ではこのように多くの地域で産出されるようになってきましたから、
価格競争によって下がる傾向があります。
たとえば以前に中東産油国が増産して価格を下落させたのは
シェールつぶしだともいわれています。
アメリカに価格決定力を与えないために、
価格を安くしてシェールオイルの採算が合わないようにするのが目的だと
考えられています。
このように、政治的な影響によっても価格は変動します。
需要面では工業需要が多くを占めています。
世界では原油を多く必要としていて、
特に新興国では経済が発展するとともに工業が盛んになり、
原油を多く必要としています。
中国の経済が良くなってきたことによって原油の消費量は非常に大きくなり、
それによって原油価格は高くなったと考えられます。
景気が良くなれば工業も盛んになりますから、
それによって原油の消費量が大きくなって価格が高くなる傾向があります。
為替の影響
日本でも原油は多く輸入していますが、日本で利用しているのは主に中東産原油です。
ですから、中東の地理的要因によって価格が変動しやすいといえるでしょう。
それとともに為替レートによる影響も大きいです。
現在、原油はドル建てで取引されることが多いです。
ドルが用いられるのは基軸通貨だからです。
ドルで取引されていますから、ドルが安くなれば原油価格は下がります。
日本では最近になって価格が上昇していますが、
これは為替レートの影響が大きいと考えられます。
円安になったことによって輸入物価が上昇し、
それによって価格が上昇したと考えられるのです。
原油価格はいろいろなものに影響されますが、
需要面と供給面とに分けて考えるとわかりやすいです。
現在のところは景気があまり良くないですから需要面よりも、供給面が影響しています。
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