数年に一度しか見る事が出来ない皆既月食。
とにかくイベント的にテレビでも放送しますし、肉眼で誰でも見る事が出来るので世界全体が盛り上がります。
人々をそこまで魅了する皆既月食とはいったいどんなものなのでしょうか。
その仕組みを説明してみます。
そもそも皆既月食って?
大前提として普段の月は、太陽の光を反射して光っているように見えています。太陽の光が当たっていない部分は見る事ができません。満月や半月、三日月といった月の満ち欠けはこのような原理なのです。
月食は満ち欠けとは違って地球の公転と月の公転が同一になった時に、太陽と月の間に地球が入り込んで太陽、地球、月の順番に一直線に並びます。その時に地球の影に月が入って月が欠けて見える現象です。
月の一部が影となる事を部分月食といい、月全体が完全に地球の影となる場合を「皆既月食」といいます。
皆既月食が人々魅了する要因は何点かありますが、何と言っても数時間の内のその過程がドラマティックなのではないでしょうか。
なぜ月が赤く見えるのか
丸い月が突然、欠け始め徐々にその姿を変えていきます。やがて丸く赤黒く輝く。その神秘的な事。そして再び月は丸い姿に戻っていく。 一夜のうちに何か神秘的なドラマや映画でも見たような感覚に襲われます。
この赤い月は滅多に見られるものではなく、皆がカメラを構えてその瞬間を待っています。夜空に光る赤い月。この赤色も最大の魅力の一つです。
実はこの赤色は夕陽を赤く見せるのと同じ「散乱」という現象です。 太陽の光が地球の大気を通過する時に、波長の短い青い光は空気の粒によって散乱してしまうのですが、赤い光は波長が長いので空気の粒の影響を受けにくいのです。光を弱めながらも通り抜けます。この赤い光は大気でわずかに屈折して、地球を回り込んで月を照らしますその為に月は赤く見えるのです。
こうした月食の原理や、何故赤い色に見えるのかという事をお子さんのいる家庭では、話し合う事によって家族の話題にもなりますし、みんなで外で見る事も一家の一大イベントになりす。カップル同士、友達同士、この神秘的な現象を通じて繋がる事も出来るので盛り上がるのでしょう。SNSでもたくさんの人がこの現象をアップしています。
また、日食は限られた時間に限られた場所でしか見る事が出来ないので、その場所だけが盛り上がりますが皆既月食は普段から月の見える場所ならば、その時間に皆が見る事が出来るというのも魅力です。特別な準備もいらず、その時間に外に出れば肉眼で美しい光景が見る事が出来るので、国全体が一体化しているような気にもなります。
また数年に一度しか見る事が出来ないのも魅力のひとつかもしれません。これを逃してしまうとまた数年見る事が出来ないと言うのも特別感を出していると思います。
次回は約3年ぶりで、2018年1月31日だそうです。肉眼でも楽しめますが、望遠鏡や双眼鏡もあるとクレーターなどより細部まで見る事が出来るので、用意してみるのもいいですね。皆で皆既月食を楽しみましょう。
コメント