ワンクール前になりますが、NHKの朝の連続ドラマ「マッサン」は高視聴率で終了しました
人々を惹きつけたその魅力とは一体何だったのでしょうか。
そもそもこの話自体がニッカウイスキー創始者の竹鶴政孝氏とその妻を元にした実話であります。
あの時代に、スコットランド人のエリーが日本に嫁いでくるという事は並大抵の事では無かったと思います。
文化も言葉も何もかも違う異国の地で、嫁として認められずいじめにもあってしまうエリー。普通であれば逃げ帰ってもおかしくない状況であるにも関わらず、ひたすら夫の事を信じて、明るく立ち向かって行く健気な姿や、チャーミングな表情などがドラマ内の人々だけでなく、視聴者をも魅了したのではないでしょうか。
前半はエリーとマッサンの奮闘ぶりを描いており、色々とトラブルを乗り越え次第に周囲の人に愛されていくエリーに支えられてマッサンも成長していく姿が共感を呼んだのでしょう。
エリーは辛い事も笑顔と前向きな気持ちで乗り越えます。抱えきれない時はマッサンや周囲の人々に助けられて乗り越えます。
流産してしまった時も、太平洋戦争が始まって、スコットランド人であるエリーに辛い日々が続いても、明るく振舞います。
いつしか、日本人より日本人らしくなっていく姿は腹が据わっていて潔ささえ感じました。
また、マッサンは中々ウイスキーを作る事が出来なかったり、折角立ち上げた会社でもウイスキー事業で失敗の連続などむしろもどかしさを覚えてしまう所もありました。鴨居社長や、熊さんのようなカリスマ性もドラマを見ている限りではあまり感じられませんでした。それでも何だか応援してしまうのです。心の中で、しっかりしなさい!とか技術者向きで経営者には向いてないんじゃないの?などもどかしく思いながらも心の中で彼に対して色々と思ってしまう人も多かったのではないでしょうか。
エリーと同じように、あの時代には珍しい人だったのでしょう。スコットランドでウィスキーの勉強をしにいける事自体が当時としては滅多に無い事ですし、あの時代背景で失敗はしながらも自分の好きな事を黙々と続けられるというのはかなり、浮世離れしていたのではないでしょうか。あくまでもドラマ上の話ですが、黙々と我が道を行くところが、現代の淡々とした雰囲気にはマッチしたのかもしれません。
実際に、彼がつくり上げたこだわりのウィスキーが実在して販売されていた物だった事もどことなくドラマ連動企画のようで、
NHKの朝の連続テレビ小説としては視聴者にとっては珍しい事だったのかもしれません。
ゆっくりなテンポではあっても最終的に経営者としても成功している事、そしてその背景にはエリーの存在がなければ絶対に今のニッカウィスキーは無かったであろうと言う事が、説明しなくても皆に分かる事が共感を生んだのかもしれませんね。生涯にわたって互いをを思い続けたマッサンとエリーの夫婦愛の素晴らしさが見る者に伝わったドラマだと思います。
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