お好み焼きは全国の様々な場所で食べられているため、入れる具材や焼き方、ソースなどに地域ごとの特色があります。
しかしその名の通りお好みの具材を入れて焼くことが出来るため、家庭で調理する際には決まった具材にとらわれず自由にアレンジができ、常識的な具材をチョイスすれば大きな失敗をすることなく、おいしく仕上げることが出来る料理の代表であると言えます。
調理する際の失敗の代表として、ひっくり返すときに崩れてしまったというものが多くきかれます。
これはひっくり返す時に躊躇していたり、フライパンやホットプレートに接している面がきちんと焼けていないことが原因です。
裏返す際は一気にひっくり返すことは勿論ですが、きちんと焼けてない場合は、キャベツなどの野菜の水気をきちんと切っているか見直してみることをおすすめします。
どうしてもうまくひっくり返せない場合は、フライパンにお皿をかぶせて裏返すという方法もあります。
さて、お店などで一般的に食べられているものの中で特に有名なのが、関西風と広島風のお好み焼きです。
関西風お好み焼き
関西風は「混ぜ焼き」と呼ばれるスタイルで、小麦粉、卵、山芋、だし汁を混ぜて作った生地に、刻んだキャベツやネギなどの具材を混ぜて鉄板に広げ、その上に肉をのせて焼くという方式になっています。
また、この段階で事前に炒めておいた焼きそばやうどんをのせて焼いたものを、一般的にモダン焼きと言います。焼きあがったらソースやマヨネーズ、鰹節をかけるのが定番です。また、関東とは違いご飯のおかずとして食べることでも有名です。
広島風お好み焼き
一方の広島風は、「重ね焼き」というスタイルが主流です。
まず、小麦粉を水で溶いた生地を鉄板で薄く伸ばしてクレープ状にして焼き、かつお粉をかけます。その上にキャベツ、イカ天、青ネギ、豚バラなどの具材をのせて、つなぎの生地をかけてひっくり返し、蒸し焼きにします。
その間に空いているスペースで焼きそばやうどんなどの麺を炒め、ソースなどで下味をつけたら、お好み焼きを麺にのせます。
その後、卵を割って広げ、固まってしまう前に先ほどのお好み焼きを上に重ね、ひっくり返して卵の面を上にします。
後は卵の上に甘めのソースを塗って完成となります。お好みでマヨネーズをかける場合もありますが、関西風とは違い鰹節はかけません。
類似する料理としてもんじゃ焼きやどんどん焼きがありますが、元を辿ると同じものがルーツになっており、始まりは麩の焼きという小麦粉で作られた和菓子だと言われています。
それを起源に助惣焼という今でいうどら焼きの一種が作られ、更にそれを原型としてもんじゃ焼き、どんどん焼きが生まれました。
もんじゃ焼きや、一銭洋食という水で溶いた小麦粉を使った料理は物資の少ない時代に重宝され、これがのちにお好み焼きへと派生していったと考えられています。
今も昔も私たちのお腹を満たしてくれるお好み焼きは、愛すべき「庶民の御馳走」であり、誰でも気軽に楽しめる料理の代表であると言えます。
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