ニュースでもよく耳にする「ロイター通信」って?
ロイター通信は、ユダヤ系のドイツ人が設立したニュース通信社で、
当時はイギリスに本拠地があり、今ではカナダの企業の一員になっています。
当初のロイター通信は、情報提供企業としての顔があり、
通信社としてニュースを手がけていました。
現在は、取り扱うニュースの内容が経済に傾き、
為替や株の市場情報が主な提供商品になります。
ロイター通信社の歴史は、1800年代に遡りますが、驚くべき事に、
1851年には既には海底ケーブルを使って、パリやロンドンの市場情報を、
各地に向けて配信し始めています。
日本とロイター通信の関係は、日清戦争時代に始まっていますが、
最初は時代の流れもあり、密約関係がスタート地点になります。
当時の契約は、日本の情報をロイター通信社に独占させたり、
代わりに海外の情報を早く知らせる、この様な内容だったと考えられます。
ロイター通信の転機
しかし、その後は契約相手がオープンになり、
1899年には国内10の新聞社と契約を結びます。
戦前は、ニュースの内容や報道に制限はありましたが、
戦後は民営化する事で自由な活動が実現して、
海外のスクープも報道する実績を作り上げています。
為替や経済ニュースの特徴が色濃くなり、
取り扱う内容に偏りが出始めたのは、1980年代の経営悪化が切っ掛けです。
為替情報であったり、経済重視の報道が始められたのは、
経営の立て直しが根底に合ったからに他なりません。
経営方針の転換は、当然ながら社内の反対もありましたが、
押し切った事で売上は上昇し、企業の立て直しに成功しています。
98年には、ファンド企業を買収してコンサルティングを始めたり、
金融情報会社を買収、吸収する事によって、経済ニュースを扱う正確が強まります。
特に大きな変革は、カナダの大手情報提供会社のトムソンが、
ロイターを買収する形で今に至った事です。
これによって消費者や市場の多くは、
ロイターに対する見方を変えたりブランドに対する変質を危惧する声が上げられました。
現在のロイター通信
現時点でのロイター通信は、経済重視の相場情報提供元で、
為替の情報等の配信を行っています。
ロイターの報道姿勢や、トムソンに対する信頼性の高さがあるので、
為替情報の入手先として信用性は十分にあります。
また、情報公開のスピードであったり、情報の正確性や訂正の早さも存在するので、
ある程度の信頼性を寄せて情報を参考にする事が出来ます。
設立や発足当時の性格は、時代と共に変化したり、
当時の方向性からは失われた部分もあります。
ただ、ロイターの名前がある限り、当初の報道姿勢を始めとして、
報道に関する重要なポイントが思い出せる、切っ掛けは残り続けます。
経済や為替の分野では、今も存在感を保つ企業で、
情報が信頼されていたり、信用があると評価されています。
日本でも、ロイターが発信する記事を目にする事は珍しくなく、
誰でも目を通す事が出来るので、国内の情報源と対比させたり、
比較に値する価値があります。
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