北朝鮮では「銀行にお金を預けるなら山に捨てた方がマシ」と言われており、
お金を預けるのは「キングオブ馬鹿」というジョーク用語まで流行りました。
過激な言葉であり、それほど信用できないと言われていることに驚きましたが、
ここまで信用を失ってしまった理由の1つに
「デノミネーション」が行われたことにあります。
デフォルトやデフレ、インフレはよく聞く言葉だと思いますが、
「デノミネーション」「デノミ」はあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
「デノミ」「デノミネーション」とは
デノミネーションとは通過の単位を表す言葉で、通過の単位を変えることです。
※よくデノミと略されます。
例えば、10000円を100円、1000円を100円、というように
100分の1、10分の1に切り下げ、
新しい貨幣を発行したり、現行貨幣の数字を書き換えたりすることです。
なぜ、このようなことが必要かというと
ハイパーインフレによって、金額の表示が膨大となり
計算や記帳・支払いなどが不便になるからです。
以前話題になったジンバブエドルも2008年と2009年にデノミネーションを行いました。
(1兆ジンバブエドルを新1ジンバブエドルの繰り下げを行った。)
ジンバブエに関しては、年率2億%を超える超ハイパーインフレにより、
通貨の単位が大幅に上がりデノミ直前での最高通過は10兆ジンバブエドル札があり
当初の予定では100兆ジンバブエドルも発行する予定だったそうです。
北朝鮮のデノミネーション
では、北朝鮮でのデノミネーションはどういうものだったのか。
1992年と2009年にデノミを行っています。
そして、「キングオブ馬鹿」が流行ったのは2009年のデノミによるもの。
北朝鮮のウォンが100分の1に切り下げるデノミを行い(旧100ウォンが新1ウォン)
さらに交換期間はたったの1週間。
1世帯あたり10万ウォンを上限とし(約3000円)
それを超える現金は政府に没収されるものでした。
市民は混乱し、銀行への信用もなくなり
今回のような過激な言葉が流行ったのです。
日本ではデノミネーションはあったのか
日本では戦後、昭和21年にデノミネーションが行われています。
この際には銀行からの引き出しに期限を設け、
新通貨に交換できる上限も決められました。
残りの預金はほとんど税金として徴収されました。
物価が上昇し、通貨の価値が地に落ち、
物資の価値が高まると政府は預金封鎖をし、
銀行からお金が引き出せないようになり、通過の切り替え(デノミ)を行います。
日本で戦後行われたことを考えると、
物資の価値が高まることは想像できますね。
デノミネーションは各国でこれまでに行われてきています。
●北朝鮮●アルゼンチン●ドイツ●韓国●ユーゴスラビア●ルーマニア●ジンバブエ
●ウルグアイ●トルコ●フランス●ロシア●ブラジル●ポーランド・・・etc
国によっては1度だけではなく2度、3度とデノミを行っているところもあります。
今後日本でもデノミが行われないという保証はありません。
デノミのきっかけとなるハイパーインフレがどのような要因で発生するのか、
また後日、ハイパーインフレについても記事を書きたいと思います。
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